個展 Far Away

個展は無事に始まりました。
今回点数が多く、思いのほかギャラリーに入りきらなそうで搬入時にちょっと焦ったのですが、DMOARTSのスタッフの皆さんのおかげでとてもスムーズに、良い感じに展示することができました。(どうもありがとうございました!!)

ブログでも色々とお知らせしようと思っていたのですが、気がつけば今週が最後の週に。。いつも思うことですが、始まると本当にあっという間ですね…。
今日9月30日は、台風の影響で残念ながら休廊となりました。
秋はどうしても台風の影響を受けがちですね。(過去にも台風と重なった日があったように思います)
天災はどうしようもないことですが、最後の日曜日だったので、今日に来ようと思ってくださっていた方がおられましたらとても残念です。。
残りの4日間、どうぞよろしくお願い致します。3日の水曜日は在廊を予定しております。


お知らせが遅くなりましたが、DMOARTSのホームページにインタビューに記載されております。

INTERVIEW/中比良真子

先日のブログに載せさせて頂いたインタビューとはまた違った視点になっており、子どもの時の話からどうして絵を描くことになったのかなど、とても掘り下げた内容になっております。
こちらもどうぞご一読頂けましたら幸いです。



今回の個展ではDMOARTSでたくさんのグッズも作って頂いております。

マグカップiphoneカバー、ジークレープリントの「My First ART」シリーズなど。
どれもわたしが作品を選び、デザインさせて頂きました。
個展と合わせてご覧頂けましたら幸いです。


在廊するたびに、ショップスペースで売られている他の作家さんのグッズがとても気になります。わたしの物欲センサーが刺激されまくりです。

もこもこのヘアバンドと、鈴のついた指輪を別々に購入したのですが、どちらも同じ作家さんでした。Kusteさんという作家さんだそうです。
とても可愛いのでおすすめです…!
他にも狙っているものがいくつかあるので、個展が終わるまでにまた何か購入してしまうかもしれません。。笑


台風でずっと家に居たせいか時間を持て余してしまい、ブログもなんだか長くなってしまいました。。
会期終了まで引き続きどうぞよろしくお願い致します。

Far Away について

先日、DMOARTSのスタッフの高山さんから、ある試みで通常とは異なるフライヤーを作成したいとのご提案をいただき、今回の個展についてインタビューをお受けしました。

お話ししたことによって自分でも今回の個展について色々と整理ができ、改めて気づいたことも多かったので、読んで頂くとこれから展示を観てくださる方にとってよりコンセプトなどが伝わりやすいのではないかと思い、こちらのブログにも掲載させて頂くことになりました。

そのまま掲載しておりますので、いつものブログとは比べ物にならないくらいボリュームがございます。
どうぞご一読頂けましたら幸いです。


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「双眼鏡を覗けば見える場所と私が今いる場所には同じ時間が流れている。でも、まるで別世界のような風景がそこにはあるんです。」


9月20日から開催される中比良真子個展 〝Far Away〟に先駆けて作家の中比良真子さんに話を伺った。8月某日、京都市内の古い建物をリノベーションしたコワーキングスペースで行われたインタビューは、幼少期の思い出話から始まった。


―今回の個展について教えて下さい。


子供の頃住んでいた古い日本家屋に、山水画の衝立があったんです。じっと眺めていると自分がその絵の中にいる気分になるんですよ。
この山はこの道をこう登って、あの川はこんな風に飛び超えて、という風に想像して遊ぶ事がすごく好きでした。
 
以前から風景画をいろんなアプローチで描いているんですけど、今回の個展は私自身が「風景画」として捉えているものの原点に近いというか、長い間、自分が本当に惹かれるもの、描きたいものは何なのか考えを巡らせたら、色々思い出したんですよ。
最初にお話した山水画の衝立とか、展望台に置かれている遠くまで見渡せる双眼鏡とか。
もともと双眼鏡がすごく好きで、覗くと現実には立体的に見えるはずの景色がすごく平面的に見えて。
嘘っぽくて、静止画のように見えるのに、そこにたまに人が歩いてきたりすると、現実に引き戻されたような感じがしてびっくりすることがあります。
あとはスノードームも好きです。球体の中に風景が閉じ込められている様子は、まるで箱庭のような感じがして。

今いる場所から遠い向こう、ただ見つめるだけで手が届かない風景を、覗きこんでいるような感じで表現したいと思い、今回使用している丸いフレームにたどり着きました。
最初は手探りでしたが、たくさん描いているうちに少しずつ感覚が掴めてきて、絵の中に風景の層や見ている場所からの距離を表現できるようになってきて、今回の「Far Away」という作品が生まれました。

日常で目にするものというのは限られているじゃないですか。例えば、家の中だと部屋の壁の先は見ることは出来ないし、外に出ても建物があったり、その奥に山が連なっている、というように限界があるんですけど、実際には景色はその奥にもいくつもいくつも連なっていて 、どこから風景を 覗くかが違うだけで同時に いろんな風景が存在している。
今回、それらを絵にすることで壁の向こうにある無数の風景や、うつろう景色の瞬間を表現できればと思っています。


―個展を楽しみにしておられる方にメッセージをお願いします。


今回、個展としては初めて発表するシリーズの作品なので、まだどんな反応をいただけるのか想像がつかないのですが、これまでのシリーズを見て興味を持ってくださった方にもまた違う面を楽しんでもらいたいなと思っています。
「作家が見た景色」という第三者の視点から見るのではなくて、見に来ていただいた方自身が今まで見てきた思い出の景色と絵が重なり合うというように、絵と一対一で静かに向き合ってもらえたら一番嬉しいです。



真剣な眼差しで思いを語ってくれた作家の風景画に対する愛は、絵と向き合えば伝わるはず。DMOARTSに登場する様々な双眼鏡を覗いて見えるたくさんの風景。絵の中に描かれる風景は決して作家だけの風景ではないはず。時空と距離を超えた風景旅行に出かけましょう。

ブローチ

いよいよ明日が搬入日です…!
作品はもうほとんどギャラリーに送ってしまっているのですが、作品を送るまでアトリエはこんな感じで壁一面丸、丸、丸…!でした。


ぎりぎりまで制作していた残りの作品も昨夜なんとか完成させ、そして今回やってみたいことのひとつだったブローチができました…!

アクリルとどちらにするか悩んでいたのですが、木製ブローチにしました。木目がうっすら見えて良い雰囲気に仕上がっています。


今回のフライヤーの作品と同じFar Awayと


ブローチにするなら是非この作品をと思っていたTransformed shape


2種類で両方とも直径7cmです。それぞれ10個ずつ作りました。会期中DMOARTSで販売致します。
是非ともお手にとってご覧ください*


それでは、明日は搬入頑張ります…!

個展のお知らせ

ブログの更新が久しぶりなのはさておき…
いきなりですが、もうすぐ個展が始まります!

◼︎中比良真子 個展 「Far Away」

2018. 9. 21 Fri. - 2018. 10. 04 Thu.
10:00-21:00(最終日のみ18時クローズ)
会場:DMO ARTS(大阪)

◼︎レセプションパーティー
9.21 fri. 19:00-21:00

◼︎ステートメント

望遠鏡を覗き込んで見る景色はどこまでも遠く、手が届かない。
同じ時間が流れているはずなのに、どこか静止画を見ているような実感のなさ、他人の風景を覗いているような、よそよそしさ。
それはその景色が「自分がいない風景」だからかもしれない。
たくさんの丸いフレームの向こうにある、遠い風景たち。
いつか見た景色も、まだ見ぬ景色も、世界の断片として無数に広がり続ける。

◼︎詳しくはこちら


今回は去年末の「2017年の風景画展」で初めて展示した、「Far Away」シリーズのみの個展となっております。新しいシリーズのみで構成する個展は実に5年ぶりだったりします…!(調べてみて自分でも驚きました。。)
そのため、とても気合が入っています。そして緊張しています…どうぞよろしくお願い致します。。

今回は作品の展示以外に、いろんな新しい取り組みをしています。個展開催に向けて、少しずつ情報をこちらでお知らせさせて頂こうと思っています。


この夏は体調を崩しまくっていました…。今年の夏の思い出はほとんどありません。。苦笑
暑さがやわらいだ頃から調子を取り戻して来ました。
会期まで残すところあと少しですが、頑張ります!!

お知らせです

ちょくちょくブログを更新している気になっていましたが、実際のところ更新が止まっていました…!ひなまつり展から時が止まっていたとは。。

少し遅れてしまいましたが、お知らせです。
直島行きの四国汽船様の新造船「あさひ」の客室に作品を飾って頂いております。
「The world turns over」2点です。

ご乗船された際は是非ともご覧いただけますと幸いです。
わたしも年内に直島に行きたいと思っています!これからの季節はとても気持ち良さそう。


もうひとつ、お知らせです。
シンガーソングライター上北健さんのニューシングル「ラストワン」のメインジャケットを描かせていただきました。(5月23日配信リリース)

「blooming-clover-」です。
ひなまつり展が終わってからすぐにお話をいただいて、もう一度bloomingに取り組むことができました。

「ラストワン」については、こちらの特設サイトから情報を見ていただけます。

ラストワン特設サイト


今年は秋に個展を予定していて、それまでは他に展示をすることはないのですが、こういった展覧会以外でたくさんの方に絵を見ていただける機会が増えてとても嬉しいです…!
そしてなんだか、もっと頑張らねばと気が引き締まる思いです。
たくさんのことを一度にできないけれど、ひとつひとつ大切に取り組んでいきたいと思います。

ひなまつり展が終わりました

ひなまつり展が無事に終了致しました。

ご来場くださった皆さま、ご一緒させて頂いた作家の皆さま、お世話になったondoの皆さま、本当にどうもありがとうございました。

とても楽しく和やかな雰囲気で、展示だけでなく工作コーナーがあったり…みんなでほっこり楽しめる素敵な展覧会でした。ひと足早いひなまつりを、みんなでお祝いできた気がします。

会場風景はこんな感じでした↓


今回の展覧会にお誘いいただいた時、面白そう!と思ったのと同時に、一体何を描こう…?とかなり悩みました。
真っ先にお雛様が浮かびましたが、自分の作品とはなかなか結びつかず、色々と考えた結果、「女の子の成長を祝うお祭り」としてのひなまつりを自分なりに掘り下げて行こうと思い、bloomingという作品に繋げることができました。

基本は自由に作品を作ることが多いのですが、今回のようにテーマがある展示だと、それに合わせて自分ならどう表現できるか?と考えられるので、とても良いきっかけを頂けたと思います。
実は、今までにそういった経緯で生まれたシリーズもあります。
今後もこういった機会を得ることができれば嬉しいなあと思います。

いよいよ明日がひなまつり本番ですね!
特別な日ではなくても、なんとなく素敵な1日になりますように。

blooming

今回ひなまつり展に展示しているbloomingというシリーズについて。

このシリーズは、社会人一年目で生活環境が激変して、自分の感情をうまく出せなくなった時に自分を救うつもりで描いたシリーズでした。

花は、自分の内側から突き破って生えてくる感情で、花を愛でる人が花言葉に気持ちを寄せるように、伝えられない言葉や行き場のない感情を花に重ねて描けたら、と思っていました。

わたしの作品のスタンスはあくまで作品は見る人のものであり、ひとりひとりの経験や想像力によって完成させるというものなので、このbloomingのシリーズは少し私的で感傷的すぎるなと思い、約一年間だけ発表したのち、現在では作品紹介の中にも加えていませんでした。

※画像はすべて2004年制作、blooming(部分)

ただ、今回のひなまつり展のお話を頂いた時に、ひなまつりというものは何かと聞かれたら、華やかなお祭りよりも女の子の成長というイメージが自分にとっては強いと思い、成長過程の女の子を花と重ねて描きたいと思いました。

対象を女性から女の子に変えたことで、以前より少し客観的に描けたような気がします。
成長はじんわりと、自分でも気づくか気づかないような速度で、時には痛みも伴います。
どこか危うくて、でもやはり美しい。

いつもの作品とは雰囲気が異なるため、きっと驚かれる方が多いかと思いますが、この作品はこの作品として、何かを感じ取って頂けたらとても嬉しいです。