blooming

今回ひなまつり展に展示しているbloomingというシリーズについて。

このシリーズは、社会人一年目で生活環境が激変して、自分の感情をうまく出せなくなった時に自分を救うつもりで描いたシリーズでした。

花は、自分の内側から突き破って生えてくる感情で、花を愛でる人が花言葉に気持ちを寄せるように、伝えられない言葉や行き場のない感情を花に重ねて描けたら、と思っていました。

わたしの作品のスタンスはあくまで作品は見る人のものであり、ひとりひとりの経験や想像力によって完成させるというものなので、このbloomingのシリーズは少し私的で感傷的すぎるなと思い、約一年間だけ発表したのち、現在では作品紹介の中にも加えていませんでした。

※画像はすべて2004年制作、blooming(部分)

ただ、今回のひなまつり展のお話を頂いた時に、ひなまつりというものは何かと聞かれたら、華やかなお祭りよりも女の子の成長というイメージが自分にとっては強いと思い、成長過程の女の子を花と重ねて描きたいと思いました。

対象を女性から女の子に変えたことで、以前より少し客観的に描けたような気がします。
成長はじんわりと、自分でも気づくか気づかないような速度で、時には痛みも伴います。
どこか危うくて、でもやはり美しい。

いつもの作品とは雰囲気が異なるため、きっと驚かれる方が多いかと思いますが、この作品はこの作品として、何かを感じ取って頂けたらとても嬉しいです。